錦織 全豪へラテン系で乗ってケイ!

 【メルボルン(オーストラリア)17日=吉松忠弘】男子テニスで世界ランク5位の錦織圭(25=日清食品)が、ラテンコネクションで初戦突破を狙う。親友で同59位のフアン・モナコ(アルゼンチン)を相手に、約1時間の練習をこなした。全豪初戦の相手となるニコラス・アルマグロ(スペイン)に似たストローカーで、ラテン同士の情報網にも乗じ、アルマグロ対策を講じた。なお初戦は20日の予定となった。

 ラテンの情報網で、アルマグロを攻略する。前日の青空会見ですべての事前行事を終えた錦織は、この日から練習に集中。モナコと練習から真剣なバトルを繰り広げた。大会前には必ず行うタイブレーク形式の試合で、相手を圧倒した。

 モナコはダブルスも組んだことのある錦織の親友だ。初戦のアルマグロと似たストロークを中心としたタイプで、元トップ10というのもアルマグロと同じ。初戦をにらんでの練習には、モナコはうってつけのタイプだった。国は違うが、アルゼンチンとスペインは同じラテン系。横のつながりが強いラテンコネクションで情報は得やすい。加えて、錦織のボティーニ・コーチもアルゼンチン人。ラテンの包囲網で、アルマグロを打ち破る構えだ。

 地元のメルボルンでも、日に日に注目が集まる。地元の「エージ」紙は、この日の朝刊1面トップで錦織の記事を掲載。「日本にとって特別なケイ」と題し、昨年の全米準優勝後、日本で国民的ヒーローになったこと、数々のスポンサーがついた錦織フィーバーを紹介。チャン・コーチについても触れ、写真も特写と破格の扱いで掲載した。

 また、恒例のトップ選手の会見があり、全豪3度の準優勝を誇るマリーは「ニシコリ、ディミトロフ、ラオニッチは要注意。昨年、ブレークしたからね」と錦織を優勝候補の一角に挙げた。今季の4大大会初戦で、すでにビッグ4の1人からお墨付きをもらった。

 初戦は20日の予定となったが、周囲の期待は高まるばかり。この日の練習コートにも異例の約30人の関係者や報道陣が集まり、熱い視線を送った。全米の再現に向け、一足先に錦織フィーバーが始まった。

 ◆アルマグロという選手 13年の全豪でベスト8に入るなど、4大大会で過去に4度、8強入りしている。球威で押してくる強打の持ち主で、世界ランクは最高で9位まで上げた。しかし、14年春に左足を痛め半年以上もツアーから離脱したことが影響し、現在のランクは67位まで落としている。

 ◆錦織の全豪日程 主催者が初日・19日の予定を発表した。日本選手は伊藤竜馬が登場するだけで、錦織を含む残りの日本選手は、20日に登場する予定となった。正式には、19日の午後に、コートと試合順を含めて決まる。ただ、初日に降雨などがあった場合は、変更される可能性もある。20日に初戦を戦うと、基本的には1日おきに登場する。2回戦が22日、3回戦が24日、4回戦が26日となる。