飛翔富士、震災20年の節目に再出世

  「大相撲初場所・6日目」(16日、両国国技館)

  断裂した右膝前十字靱帯(じんたい)の再建手術を一昨年11月に受けて7場所連続全休し、番付外に落ちた元十両の飛翔富士(25)=東関=が前相撲で3勝目を挙げ、来場所から番付に戻る再出世を決めた。

  神戸市兵庫区に生まれ、5歳の時に被災した。実家近くの祖母広子さんが住むアパートは全壊。「おばあちゃん!」と呼び掛け、がれきの下から「はい」との声が聞こえたが、力尽きた。震災から20年が経過したが「絶対に忘れないという気持ちは何十年たっても変わらない」と目を潤ませた。