浜辺にキタオットセイ…「人多い場所は珍しい」 岩手県宮古市の浄土ヶ浜の浜辺に、キタオットセイが現れた。

  浜辺近くの浄土ヶ浜レストハウスによると、26日午前10時頃、体長約1メートル20のキタオットセイが、ぐったりした様子で浜辺にいるのを観光客が見つけた。右前肢の付け根などにけがをしていたという。

  同市津軽石のアトム動物病院の久保田英治院長が、点滴などをしたところ、同日夕方に海に戻った。しかし、27日朝、また浜辺に上がり、時折頭をもたげて周囲を見回すほかは、あまり動こうとしなかったという。

  県宮古水産振興センターは、キタオットセイが猛禽(もうきん)類などに襲われないよう職員らで様子を見ながら、獣医師に治療を続けてもらう方針。今後、衰弱が目立つようであれば、一時保護も考えるという。

  「マリンピア松島水族館」(宮城県松島町)によると、三陸沿岸にはこの時期に、キタオットセイは多くいるが、海辺など人が多い場所に近寄ることは珍しいという。同館の神宮潤一展示部長は「保護する場合も移動のストレスなど、リスクがある。できれば元気になって、海に戻れることを願っている」と話していた。