日本代表CTB松島スーパーラグビー  

  ラグビー日本代表のCTB松島幸太朗(21=サントリー)が南半球最高峰リーグ「スーパーラグビー(SR)」に挑戦することが4日、分かった。トップリーグの複数関係者によると、契約先は昨季王者のシドニー・ワラタス(オーストラリア)。日本代表経験者としては8人目のSR入りで、21歳での参戦は最年少だ。今季初戦は15日、パナソニックWTB山田章仁が所属するウエスタン・フォース戦だが、松島は日本選手権(8日開幕)の終了後、現地へ出発する。

  昨年12月、日本代表のジョーンズ・ヘッドコーチは会見で「代表候補から7人がSRにいく」と明かした。すでに6人が発表されていたが、その「最後の1人」は松島だった。松島は今季、日本代表としてテストマッチ6試合に出場して4トライ。トップリーグでもサントリーで唯一のベスト15に選出された。武器である速くしなやかなランと華麗なステップで、連覇を狙う強豪シドニー・ワラタスからのオファーを勝ち取った。

  神奈川・桐蔭学園高時代には遠征で2度オーストラリアを訪れている。卒業後は同じSRに所属するシャークス(南アフリカ)の育成組織入り。3シーズンにわたり武者修行するなど、豊富な海外経験を持つ。英語も堪能で、生活にも不安はなさそうだ。強者ぞろいの世界でも存分に走り回り、9月のW杯(イングランド)への弾みにする。

  ◆松島幸太朗(まつしま・こうたろう)1993年(平5)2月26日生まれ。南アフリカ出身。ジンバブエ人の父と日本人の母を持つ。中1でラグビーを始める。神奈川・桐蔭学園高2年のとき花園で準優勝。13年にサントリーに入団。好きな食べ物はカレー。趣味は映画観賞。ニックネームはマツ。178センチ、85キロ。日本代表キャップ数は6。

  ◆シドニー・ワラタス 1882年創立。オーストラリア代表監督も兼務するマイケル・チェイカ監督が指揮する。14年シーズンはプレーオフ決勝でクルセイダーズを33-32で破り、悲願の初優勝。トップリーグ2季連続MVPのパナソニックSOベリック・バーンズも13年まで所属。本拠はシドニー・フットボール・スタジアム。

  ◆スーパーラグビー オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ共和国の各国5チーム、計15チームで行われる世界最高峰リーグ。毎年2月から8月開催も、今季は2月13日に開幕し、7月4日にプレーオフ決勝。96年に3カ国ラグビー連合協会(SANZAR)が設立され12チームで開始。06年から14チーム、11年から15チーム。16年からは南アフリカ、アルゼンチン、日本のチームが参加し、18チームになる予定。日本出身では、13年にパナソニックSH田中史朗がハイランダーズ(NZ)、フッカー堀江翔太がレベルズ(オーストラリア)に加入したのが最初。