『スペースインベーダー』に『ギャラガ』…80年代のレトロなゲーム機が”募金箱”になって現役復活!?

 

  国際空港で出入国手続きを終えた後のなんとなく手持ち無沙汰な時間――。入国するにしても、帰国するにしても、これからは当面使うことのないコインがポケットにあれば、心ある人々はそれをユニセフや赤十字などの透明なアクリル製の募金箱に入れたりもするだろう。もちろん賞賛されるべき慈善的行為だが、もうほんのちょっとだけでも楽しくコインを募金できないものか……。そこでお鉢が回ってきたのは、なんとも懐かしい現役を引退したレトロなビデオゲームマシンの数々である。
 
 ■レトロゲーム機が”募金箱”に
 
  北欧の国スウェーデンのアーランダ国際空港およびヨーテボリ国際空港の手荷物受け取り所では、80年代にゲームセンターで一世を風靡したアーケードゲーム、『パックマン』や『ギャラガ』、『スペースインベーダー』の筐体が並んでいる。
 
  スウェーデン赤十字社と国営空港管理会社によって設置されたこの”奇抜な募金箱”は、なんとどの国のコインでも、どの金額のコインでも(日本の1円玉は重量面でどうかわからないが)、投入すれば一律にゲームが1プレイが楽しめるのだ。営利目的ではなく、寄付を促すための設備であるゆえんだろう。ちなみに筐体の下部が透明なアクリル板製に改造されており、投入されて落下したコインは一目瞭然だ。
 
  1980年前後、日本のいわゆる”インベーダーブーム”時のゲーム機は喫茶店などにも導入しやすいテーブル型が多かったが、海外では立って操作するボックス型がほとんど。この空港に設置してある筐体も立ってプレイするタイプだ。
 
  そしてこの立って行うプレイスタイルは、エコノミークラスの窮屈な座席に固定され長距離フライトを終えたばかりの旅客にとって、良い”リハビリ”になることが科学的に証明されているということだ。場合によっては十数時間座りっぱなしの長距離フライトの後、勢い余って急に歩き回るよりは、しばらく立ったまま身体をほぐして”ウォーミングアップ”する時間があったほうが、たしかに身体に優しそうである。このウォーミングアップを素朴なレトロゲームを楽しみながら行えて、しかも募金につながるとあれば、ゲーマー冥利に尽きるということではないだろうか。しかし、当時これらのゲームに腕を鳴らしたベテランの面々は、発奮すればするほど昔取った杵柄でコインを減らさずにプレイできて、たいした募金にならなかったりも……(苦笑)。
 
 ■広がりつつある”ゲームチャリティ”
 
  実はゲームと”チャリティ”はなかなか相性が良いようで、以前から各種団体によって活発に行われている。…