市販薬も副作用に注意=風邪薬で死亡例も―消費者庁

 

  比較的安全と考えられている市販薬でも重篤な副作用が起きるケースがあるとして、消費者庁は11日までに、消費者に注意を促すよう日本薬剤師会などの業界団体に要請した。風邪薬の副作用で死亡したとみられる例もあり、同庁は「異常に気付いたらすぐに医師や薬剤師に相談してほしい」と呼び掛けている。

  独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」の集計によると、2009年4月〜14年3月末、市販薬による副作用が疑われると報告があった症例は計1225件。このうち患者が死亡したのは15件で、何らかの後遺症が残った例も15件あった。

  風邪薬については計400件と全体の約3割を占め、8人が死亡。視力障害などの後遺症が残った人も9人いた。目の粘膜などに異常が起きる「スティーブンス・ジョンソン症候群」を発症するケースが多かったという。

  消費者庁にはこのほか、「風邪薬を飲んだ当日、全身にじんましんが出て目や唇が腫れ上がった」(70代男性)、「内服液を飲んだら尿が出なくなり、手足が腫れた」(60代男性)などの報告が寄せられたという。同庁の担当者は「市販薬は気軽に買えるが、副作用もゼロではないと知ってほしい」と語った。