フランスの経済学者トマ・ピケティ氏=2014年11月、ハーグ(EPA=時事)  【パリAFP=時事】所得格差の問題などに関する著書「21世紀の資本」が日本などでベストセラーとなっているフランスの経済学者、トマ・ピケティ氏(43)は1日、仏政府が同氏への授与を決めたレジオン・ドヌール勲章シュバリエ(5等)を拒否すると表明した。

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 ピケティ氏はAFP通信に対し「誰が名誉ある人物かを決めるのは政府の役割ではない。政府は、フランスや欧州の成長回復に注力すべきだ」と語った。ピケティ氏はかねて、公約に掲げられた財政改革を怠っているとオランド仏大統領の政権運営を批判している。
 レジオン・ドヌールは、後に皇帝となるナポレオンが1802年に創設。ただ、仏政府への批判や無関心などを理由に、作家のカミュやサルトル、画家モネ、放射能の研究で知られるキュリー夫妻ら数多くの仏著名人がこれまで叙勲を拒んでいる。