＜大相撲初場所＞◇１３日目◇２３日◇両国国技館

　　横綱日馬富士（３０＝伊勢ケ浜）が横綱対決で鶴竜（２９）に敗れ、白鵬の快挙をお膳立てしてしまった。

　　両者が額付近を流血する強烈な立ち合い。右四つで猛進したが、もろ差しを許す。右上手が切れ、捨て身の首投げはすっぽ抜け、下手投げで敗れた。強引な攻めに執念も見せたが「前に出て行く勢いだったから、まあ流れでね。中に入っちゃったな。最後はムダ」。突き放せなかったことを悔いたが「せめて明日、明後日と勝って」と引き締めた。

　斉藤仁氏の略歴は以下の通り。

　◆斉藤仁（さいとう・ひとし）１９６１年（昭３６）１月２日、青森市生まれ。筒井中から国士舘中に編入。国士舘高－国士舘大と進む。

　８４年ロサンゼルス、８８年ソウルの両五輪で９５キロ超級連覇。当時、五輪連覇は柔道界では初めての快挙だった。８３年世界選手権無差別級優勝、全日本選手権優勝１度。０４年アテネ、０８年北京の両五輪では日本男子監督を務めた。１８０センチ。

＜テニス：ブリスベン国際＞◇１１日◇オーストラリア・ブリスベン◇男子ダブルス決勝

　ダブルス世界ランク５４７位の錦織圭（２５＝日清食品）が、惜しくもツアー初優勝を逃した。

　ドルゴポロフ（ウクライナ）とのペアで、ダブルス専門家のマリー（英国）、ピアーズ（オーストラリア）組と対戦し、３－６、６－７で敗れた。錦織ペアは、持ち味のストロークで立ち向かったが、相手のネットプレーに封じられ、ストレート負けを喫した。錦織は「シングルスもダブルスもいい結果が残せた。楽しめた１週間だった」と話した。

　錦織の次戦は、１３日からメルボルン郊外で始まる非公式戦クーヨンクラシックに出場する。

　【メルボルン（オーストラリア）１７日＝吉松忠弘】男子テニスで世界ランク５位の錦織圭（２５＝日清食品）が、ラテンコネクションで初戦突破を狙う。親友で同５９位のフアン・モナコ（アルゼンチン）を相手に、約１時間の練習をこなした。全豪初戦の相手となるニコラス・アルマグロ（スペイン）に似たストローカーで、ラテン同士の情報網にも乗じ、アルマグロ対策を講じた。なお初戦は２０日の予定となった。

　ラテンの情報網で、アルマグロを攻略する。前日の青空会見ですべての事前行事を終えた錦織は、この日から練習に集中。モナコと練習から真剣なバトルを繰り広げた。大会前には必ず行うタイブレーク形式の試合で、相手を圧倒した。

　モナコはダブルスも組んだことのある錦織の親友だ。初戦のアルマグロと似たストロークを中心としたタイプで、元トップ１０というのもアルマグロと同じ。初戦をにらんでの練習には、モナコはうってつけのタイプだった。国は違うが、アルゼンチンとスペインは同じラテン系。横のつながりが強いラテンコネクションで情報は得やすい。加えて、錦織のボティーニ・コーチもアルゼンチン人。ラテンの包囲網で、アルマグロを打ち破る構えだ。

　地元のメルボルンでも、日に日に注目が集まる。地元の「エージ」紙は、この日の朝刊１面トップで錦織の記事を掲載。「日本にとって特別なケイ」と題し、昨年の全米準優勝後、日本で国民的ヒーローになったこと、数々のスポンサーがついた錦織フィーバーを紹介。チャン・コーチについても触れ、写真も特写と破格の扱いで掲載した。

　また、恒例のトップ選手の会見があり、全豪３度の準優勝を誇るマリーは「ニシコリ、ディミトロフ、ラオニッチは要注意。昨年、ブレークしたからね」と錦織を優勝候補の一角に挙げた。今季の４大大会初戦で、すでにビッグ４の１人からお墨付きをもらった。

　初戦は２０日の予定となったが、周囲の期待は高まるばかり。この日の練習コートにも異例の約３０人の関係者や報道陣が集まり、熱い視線を送った。全米の再現に向け、一足先に錦織フィーバーが始まった。

　◆アルマグロという選手　１３年の全豪でベスト８に入るなど、４大大会で過去に４度、８強入りしている。球威で押してくる強打の持ち主で、世界ランクは最高で９位まで上げた。しかし、１４年春に左足を痛め半年以上もツアーから離脱したことが影響し、現在のランクは６７位まで落としている。

　◆錦織の全豪日程　主催者が初日・１９日の予定を発表した。日本選手は伊藤竜馬が登場するだけで、錦織を含む残りの日本選手は、２０日に登場する予定となった。正式には、１９日の午後に、コートと試合順を含めて決まる。ただ、初日に降雨などがあった場合は、変更される可能性もある。２０日に初戦を戦うと、基本的には１日おきに登場する。２回戦が２２日、３回戦が２４日、４回戦が２６日となる。

＜テニス：深センオープン＞◇女子シングルス決勝◇１０日◇中国・深セン

　第１シードのシモナ・ハレプ（ルーマニア）が６－２、６－２でティメア・バシンスキー（スイス）を下し、ツアー９勝目を挙げた。

　テニスの４大大会第１戦、全豪オープン（１９日開幕）に向けて男子シングルス第５シードの錦織圭（日清食品）が１６日、メルボルンで一般ファンにも公開する形で記者会見した。

　「いいテニスができている。体調と気持ちがしっかり整っていれば、どの選手にも勝つチャンスはある」と自信を示した。

　昨年の全米オープンは右足親指の裏にできた腫れ物を切除した直後にもかかわらず準優勝した。今回は「万全な状態で臨める。気持ち的にもリラックスできている」と順調に仕上がっている。

　ツアー開幕戦のブリスベン国際とメルボルンで１６日まで行われたエキシビション大会で実戦を積み「サーブが良くなって自信がついている」と手応えをつかんだ。自身最高のシードで臨む４大大会へ「いつも通りプレーすることが結果を出す一番の鍵。プレッシャーや責任を気にせずやりたい」と述べた。

　１回戦の相手は４大大会で過去に４度８強入りしたニコラス・アルマグロ（スペイン）。

　世界ランキング６７位ながら対戦成績は１勝１敗で「シードでもおかしくない選手。力強いテニスに負けないように作戦を練りたい」と警戒した。

＜大相撲初場所＞◇９日目◇１９日◇東京・両国国技館

　やはり、白鵬の壁は厚かった。西関脇逸ノ城（２１＝湊）が横綱白鵬（２９＝宮城野）に敗れ、５敗目を喫した。

　立ち合いで思い切りよく当たると、すぐさま右を差す。だが欲しかった左上手は最後まで取らせてもらえず、寄り切られた。過去２度の対戦は、いずれも上手出し投げで敗戦。だが今回は３１秒１の相撲で、前に押し込むと満員の観客席からも大歓声が飛んだ。

　左目を充血させながら支度部屋に戻った逸ノ城は「（白鵬の）張り手が目に入った。大丈夫です」。課題の立ち合いも徐々に改善しており「踏み込んでいけた。前よりは良くなったので、良かったです」と振り返った。